トップページ > 薬剤師の基本倫理と時事倫理「日本と欧米の倫理的相違」

薬剤師の基本倫理と時事倫理をご案内します。

倫理学はヒトがいかによく生きるかを知るために必要な学問です。古代ギリシアのアリストテレスや古代中国の孔子が唱えた哲学や、徳に始まり、善、幸福、義務、愛、尊重、他者といった倫理に関する研究対象は、長い年月を掛けて多くの倫理学者に受け継 がれ、研究されて、その基礎は固められたと考えていいです。これを当サイトでは、基本倫理(Basal Ethics)と呼びます。

薬剤師の基本倫理と時事倫理「日本と欧米の倫理的相違」

さて、倫理学というものは受動的および能動的な相反する要因を有すると先に述べましたが、日本と欧米ではこの二つの基本的要因の重点の置き方の違いによって、倫理感が臨分と異なります。

日本の倫理感は前者の受動的な要因を重視する傾向にあるため、社会的人間関係の確立を促進しています。

つまり、日本人の間で重んじられているのは、主体的人間性でも普遍的人間性でもなく、人々の間柄において把握された人間であり、そこにできあがる人間関係、すなわち「場の倫理」です。

場の中では自分を任せ、場全体の空気を察することによって、場に対する忠誠心を受動的に示すことがもっとも重要になります。

他人に対して目立たないこと、何か変わったことをしたり言ったりして場の平衡を乱さないこと、という配慮が大前提とされます。

場の倫理に基づく社会では、自己主張を積極的に行動や言語で示すことは、場を壊すものとして危倶されることさえあります。

わが国の社会は、他者の存在を重視するあまり個々の判断や主張が尊重されにくく、個の存在を暖昧にさせるのに非常に都合のよい構造になっています。

これに対して、欧米の倫理感は後者の能動的な要因を重視するために、個人の確立を促進しており、「個の倫理」が形成されています。

個の倫理に基づく社会では、個人の忠誠心に基づく判断や意見が主張され、同時にそれが尊重される構造をもっているため、継続した発展が実現されます。

つまり、現在ある考え方を超えて、一層優れた考え方が追求されるという倫理の基礎を成しています。

そこには、一貫して個人の道徳性が追求され続けており、理想主義の性格をもっています。

日本の倫理感が悪いと言っているわけではありませんが、他者の働きかけを第一とする場の倫理が、能動的な倫理感の発展を拒む原因になっている事実は認めなければなりません。

日本の倫理的観念というものは、欧米に比べて希薄で流動的、かつ遅れたものになっていると言わざるを得ません。

参考になさってください。

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