薬剤師の基本倫理と時事倫理をご案内します。
倫理学はヒトがいかによく生きるかを知るために必要な学問です。古代ギリシアのアリストテレスや古代中国の孔子が唱えた哲学や、徳に始まり、善、幸福、義務、愛、尊重、他者といった倫理に関する研究対象は、長い年月を掛けて多くの倫理学者に受け継
がれ、研究されて、その基礎は固められたと考えていいです。これを当サイトでは、基本倫理(Basal Ethics)と呼びます。
倫理学というのは人聞の「よく生きる」生き方を追究・実践する学問であり、自己吟味に基づいた意思の決定と正しい行為の反復の中から見出されるということがわかりました。
けれども、私達は学問としての倫理学よりも、むしろ倫理という言葉を世間で幅広く一般的に用いています。
そして、倫理と捉えて使っている言葉の意味は、いままで触れてきた一学問としての倫理とは少し異なるように思われます。
では倫理という言葉の意味を私達はどのように認識しているのでしょうか。
1.社会的ルールとしての倫理
辞書によると、倫理とは、
1.人として守り行うべき道(大辞泉)
2.人として踏み行うべき道(日本語大辞典)
3.善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの(大辞泉)
4.人聞の内面にある道徳意識に基づいて人聞を秩序づけるきまり(日本語大辞典)
と記されています。
多くの人は前者を倫理の意味として認識し、倫理という言葉を社会的ルール(規範)と捉えて使っているのではないでしょうか。
そのために、世間を騒がすようなことをしないで普通の生活をしている分には、倫理というものが自分にとって直接には関係のないこと」と考える人が多いのです。
それどころか、人聞は誰もが自由であるべきなのに、倫理という社会的ルールによって不当な干渉や抑圧を強いられると拒否反応を示す人さえいます。倫理とは、単に個人に加えられる自由の抑圧なのでしょうか。倫理を自分には関係のない事柄であり、場合によっては自分の生き方を歪めるものだと考える人は、実に倫理というものを誤解しています。
では、倫理の後者の意味をもう少し考えてみてはどうでしょう。
私達は日常生活のさまざまな場面で「良い」とか「悪い」とかいった価値判断を下し、それに従って行動しています。私達は誰でも、たとえ倫理に無関心な人であろうと、自分が下す倫理的判断に従ってすすんで、あることをしたり、あることを控えたり、他人を称賛したり、非難したりしながら生きています。
たとえ倫理に拒否反応を示す人でも、その人が自分の生活の中で自分なりに何らかの判断を下し、それに従って生きている以上、否応なく倫理にかかわり合って生きています。
つまり、倫理は誰にとっても無関係なことではなく、実は一人ひとりの生活に密着した事柄であり、その人の生き方の多くの部分を規定しているのです。
参考になさってください。
※薬剤師の方が転職の可能性や転職先情報を調べてみたいと思ったら、薬剤師専門の転職サイトを活用してみてください。
>>>最新の薬剤師転職比較サイトランキングはこちら