トップページ > 薬剤師の基本倫理と時事倫理「よく生きるということ」

薬剤師の基本倫理と時事倫理をご案内します。

倫理学はヒトがいかによく生きるかを知るために必要な学問です。古代ギリシアのアリストテレスや古代中国の孔子が唱えた哲学や、徳に始まり、善、幸福、義務、愛、尊重、他者といった倫理に関する研究対象は、長い年月を掛けて多くの倫理学者に受け継 がれ、研究されて、その基礎は固められたと考えていいです。これを当サイトでは、基本倫理(Basal Ethics)と呼びます。

薬剤師の基本倫理と時事倫理「よく生きるということ」

倫理学で扱う人間の生き方について、ソクラテス(Sokrates、B.C.470-399)がアリストテレスに受け継いだ「よく生きることなのだ」というロゴス(前掲)はあまりにも有名です。

また、ソクラテスの福音と言われる優れた教説には、「吟味のない生活というものは人聞の生きる生活ではない」と言明されています。

生きていくだけなら人間でなくともできる。私達にとって必要なのは理性による自己吟味であり、その判断に基づいた実践です。それを欠いた単なる生存は、真に人間らしい生き方ではないということになります。

言い換えれば、人間らしくよく生きるためには自己吟味という言葉の通り、自分が何を「よい」と考えるか自己の価値判断が必要です。

これらのロゴスをもとに、アリストテレスは人間としての働きこそが人聞が生きることの目的であり、その存在根拠であるとしています。

それゆえ、アリストテレスにとって「よく生きる」こととは、人間らしく振る舞うことにほかなりません。

人がよく生き、その人の生き方が獲得され、習慣づけられて自らのあり方となったものを「徳」といいます。徳は第一に行為の能力です。

徳のある行為は、同一行為の長期間に亘る反復によって形成されたもっとも安定した持続的な活動です。

このことは、人聞の他のあり方を対比するとき、より鮮明になります。

たとえば、知識や技術も徳と同様に人聞のあり方であり、何かを行う能力です。ですが、知識や技術は用いることがなければ鈍り、果ては失われてしまいます。

しかし、人間にとって生きることは、ただちに倫理的判断を必要とする場であり、徳はつねに発揮されて失われることはありません。

さらに、知識や技術は方向性をもたず、反対のものにかかわり得ます。たとえば、医療は人間を健康にすることもできますが病気にもできます。しかし、徳は一方向性をもっているために反対のものにはかかわりません。

中国ではアリストテレスより170年も前に、孔子が徳を説きました。孔子(B.C.551または552-479)は中国春秋時代の大思想家で儒教の開祖です。

その教えは「人の生くるや直し」という人聞の正しさの信頼のもとに、各自が自主的自律的に徳を修めることを根本として出発し、身近なこと、 日常的なことから最高の目的「仁」に至るべきものと説きました。

また社会秩序の札を習う「学」を提唱し、学によって生涯を一貫する「道」を身につけた有徳者「君子」となるべきだとしました。

孔子の死後107年、中国に孟子(B.C.382-289)が生まれました。

孟子は孔子の継承者として性善説を唱え、人間にはもともと善の端緒が具わっており、それを発展させれば、徳にまで達することができると説きました。

参考になさってください。

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